高血圧についてご説明いたします。
高血圧とは
日本では、高血圧患者が推定で約4300万人いるとされています。その中で適切に血圧がコントロールされているのは、わずか1200万程度と考えられています。残り3100万人の中には、治療をしても目標の血圧に達していない人、自分が高血圧であると知らない人、知っていながらも治療していない人もかなり含まれています。(参照:日本高血圧学会WEB https://www.jpnsh.jp/general_ind.html)
高血圧をそのままにしておくと、動脈硬化が進行して脳卒中や心臓病、腎臓病など重大な病気になる危険性が高まりますので注意が必要です!

高血圧の2つのタイプ
高血圧は、高血圧の原因が特定できるものと、特定できないものの2つのタイプに別れます。
1.原因が特定できる高血圧「二次性高血圧」
病気(腎臓や副腎の病気など)が原因となって引き起こされる高血圧
2.原因がはっきりしない高血圧「本能性高血圧」
ストレス・喫煙・運動不足・アルコールの過剰摂取といった遺伝や生活習慣など、原因が特定できない高血圧
現代、日本人の高血圧患者のうち「本能性高血圧」が約8割を占めます。高血圧にはこれといった自覚症状がありません。そのため、定期的に健康診断を受ける機会がない人は、気づいていない人も少なくないのです。また、健康診断などで「高血圧」「血圧が高め」と指摘されても、症状が何も出ないために、改善に取り組まない人も多いのです。
しかし、血圧が高いという状態は、体には大きな負担がかかっています。症状が出ないまま、突然、脳梗塞や脳出血といった深刻な病気にまで進んでいることも珍しくありません。そのため、高血圧はサイレントキラーとも呼ばれているのです。
どんな生活習慣が高血圧を招くのか?
普段からどんな習慣に注意をすべきか知っていただくため、どんな生活習慣が高血圧を招くのかを、簡単にご紹介いたします。
1番にあげられるのは、塩分の過剰摂取
日本人の高血圧の最大の原因は、食塩のとりすぎです。かけしょうゆ、かけソースなどの習慣がある人、漬け物をたくさん食べる習慣のある人、味噌汁を1日に2杯以上のむ人、ラーメンなど麺類の汁を全部飲んでしまうといったように、日本人の食生活は食塩が多くなりやすい特徴があります。
高血圧の治療においては食塩制限が重要で、日本高血圧学会は1日6g未満を推奨しています。麺類の汁は残すだけでも、2~3g減塩できると言われています。1回1回の食事で減塩の心がけをおすすめします。

肥満
若年~中年の男性を中心に、肥満、特に内臓肥満を伴う高血圧の割合が増えています。肥満の人は、そうでない人と比べ高血圧のリスクが2~3倍になると言われています。
肥満になると、全身で必要とされる血液の量が増えるため、心臓が強い活力をかけて血液を送り出す必要があります。また、肝臓が余分なエネルギーを消費しようと交感神経を働かせます。そうすると、血管が収縮して、血圧が上がってしまうのです。
特定健診・特定保健指導などを利用して早めに、減量に取り組むことをおすすめします。
その他、過食・喫煙・飲酒・運動不足など
前述したとおり、高血圧は自覚症状がほとんどなく、自分では気づかないうちに進行してしまうので、皆さまにとって当たり前の生活習慣が、病気を進行させてしまう可能性があります。
高血圧の影響は、症状が出てからでは、取り返しのつかない病気もあります。脳や心臓、腎臓の病気・合併症を起こさないためにも、定期的な健康診断、早期治療が大切です。
高血圧の検査について
高血圧と診断された場合は、高血圧によって体がどのような影響を受けているか、合併症がないか、高血圧の原因となる腎臓やホルモンに影響が何かを調べていきます。状況に応じて、心電図・心エコー・血液検査・胸部レントゲン・尿検査などを行うことがあります。
まずは、毎年健診を受けることがとても重要だと考えています。健診で行う心電図や眼底検査では、高血圧による長期の影響がわかることがありますので、これらの検査を受けることも有用です。健康診断などで「高血圧」「血圧が高め」だと指摘されたら、お早めに医師に相談してほしいと思います。
高血圧の診断基準・目標について
日本における血圧コントロール状況は、主要先進国と比べても十分とは言えず、改善が必要とされています。上の血圧(収縮期血圧)を 10mmHg下げることで、脳卒中や心臓病の発症リスクが約20%減少すると報告されています。
現在、高血圧の方では、年齢にかかわらず 上の血圧130mmHg未満、下の血圧80mmHg未満を目標に管理することで、それ以上の血圧の場合と比べて、脳卒中や心臓病の発症が少なくなるとされています。
(参考:2025日本高血圧学会 高血圧の10のファクト 国民の皆さんへ)
ただし、降圧目標値はあくまで目安です。血圧が目標値より低い場合でも、必ずしも脳卒中や心筋梗塞などのリスクが完全になくなるわけではありません。
年齢や基礎疾患、生活習慣などによって適切な血圧管理の方法は異なるため、お一人おひとりの状態に合わせて血圧をコントロールしていくことが大切です。
血圧についてご心配なことがある方や、運動や食生活など生活習慣の改善に取り組んでいるものの血圧が改善しない方は、どうぞお気軽にご相談ください。